2019年8月の業界動向とウワサ


 前回のコラムでは“パチンコ業界初の族議員誕生なるか?“と、参議院選挙に立候補した尾立候補について書きましたが、選挙結果は残念ながら落選となりました。メーカー、ホールだけでなくユーザーまでもが業界の未来を尾立候補に託そうと、ネット上を通じてかなりの盛り上がりを見せたのですが、投票結果を見ると得票は思ったように伸びず、自民党関係者からは善戦したとの声もあったようですが、事実上の惨敗となりました。やはり選挙慣れしていないパチンコ業界。特にホール団体のまとまりはバラバラで、残念ながら尾立候補がパチンコ業界を代表して立候補したことを知らないスタッフも沢山いたようです。当初は尾立候補を担ぐことにより警察官僚にたてつく構図になることから、尾立候補落選=パチンコ業界の終焉の始まりになると言われていましたが、果たしてどうなることやら…。

 選挙が終わり年末に向けての課題は大きく2つ。1つは以前から問題視されている認定切れ機の撤去について。年末までにパチスロ高射幸機の認定切れが続きますが、実際のところ撤去するにしても代替え機が登場するのかどうかが不透明なのです。まどかマギカはきっちり撤去のタイミングで発売されましたが、ハーデス、バジリスク絆の後継機に関しては数多くの噂が出てはいるもののそこ止まり。もし保通協適合が間に合わないのならば他のメーカー機種に期待することになりますが…。

 そういった中で名前が出だしたのがサミーの北斗の拳シリーズ最新作。どうやら高純増タイプでの登場となりそうで、かなりリゼロに似たタイプではないかと言われています。しかも純増はリゼロを超える9枚だとか、目押し要らずの6択で出玉が増えていくとかいう話も。そんな噂通りのスペックで登場するのであれば、パチスロの未来はそう暗くないのかも。また正式販売が決まったら当コラムでも詳細をお伝えするつもりです。

 ちなみにバジリスク絆の後継機はメーカー主催のファンイベントでも筐体がお披露目されたバジリスク絆2で間違いなさそう。こちらはかなり絆を意識した作りになっているとの情報が。ハーデスはスペック的に検定通過が厳しいようで、内規緩和を見越して作り直しているなんて話もちらほら。機械の仕様はもちろん大事ですが、結局発売されないというのがホールにとっては一番痛いですね。

 そしてもう1つの課題はパチンコの釘問題。お盆前の入れ替えの際に、ゲージが申請時と異なるという指摘を受けて機械を押収されたなんて話が業界内を駆け巡りました。パチンコの釘調整はこれまである意味当たり前のように行われていましたが、現在はルールに従い申請時のまま営業することが原則となっています。よって釘を大きく叩いての営業は違法なのです。その代わりに現在のパチンコ機にはパチスロ同様に設定機能の搭載が許されており、設定で出玉を調整して運用しなくてはならないのですが、これがなかなかユーザーに浸透しないし、ホール側もうまく使いこなせていないのが現状。その結果、釘を叩いて…という悪循環が続いています。

 そうこうしているうちにパチンコは真・北斗無双を筆頭としたメイン機種も認定切れを迎えるはずです。釘問題に関しては、ホールサイドが過去の営業手法を捨て去り、これから新たな道へ進むしかないと思います。もうそれほど時間は残されていません。

 最悪のシナリオは、先ほどの高射幸機も含めたルールをホールサイドが守らないこと。その時に監督省庁でもある警察庁がどう動くか…それが本当に終わりの始まりとなる可能性はあります。そうならないように業界はひとつにまとまらなければなりません。今度こそ、本当に。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。