2019年4月の業界動向とウワサ


 6号機の覇権は大都技研が取るのか!? 6号機市場において、まず一発目に市場投入されたのが「HEY!鏡」。押忍!番長ライクなゲーム性をベースに純増約5枚のATスペックでデビューした同機は、6号機のメリット、傾斜値3枚以上を搭載して新時代の到来を感じさせる機種でした。こちらは発売と同時に注文が殺到し、後に新パネルも登場。人気は落ち着いているものの、現在もホールの主軸機種として活躍中です。

 それに続けとばかりに他メーカーからも純増3枚を超えるマシンが次々と発表されていますが、大ヒットした機種や稼働良好につき販売が延長された機種はまだない状況で…と思っていたら、またもや大都技研からモンスターマシンが登場。設置から3~4週間経過し、ようやく加熱していたブームは落ち着いてきたと言えますが、GW明けの増台案件を含めると約4万台近くが今後設置されるとのこと……純増約8枚の破壊力と作り込まれたゲーム性で大ヒットした「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下リゼロ)が2019年のパチスロシーンの前半を引っ張るのは間違いない!

 リゼロに関して、デビュー前は「純増8枚は魅力だけど、やはりその分初当りが遠くなるので稼働が持たないのではないか?」という予測を立てる関係者が多かった。デビュー直後に5号機の大ヒット機種と比べて稼働が良いという状況(数値)を見ても「稼働が良いのは最初だけ」という声が圧倒的でした。また、モード・ポイントで管理しているゲーム性ゆえにどうしてもボーナス後の連チャンに期待しにくく、ボーナス後は200Gまでほぼ当たらないといったマイナス情報もすぐに拡散されてしまいました。

 それでも8枚純増がインターバルなしに出続ける速さはやはり魅力だったのか、稼働は下がることなくホールは増台分を確保することに一生懸命。先ほども説明した通り、GW明けには約4万台近くが設置されるので、完全にメインコーナーとして扱われるようになることは間違いない。そうなれば設定状況も自然とよくなるので、稼働もさらに伸びるはず。バジリスク絆のような息の長い機種になれる可能性は十分にあります。

 その他にも7月には山佐から鉄拳シリーズ最新作が高純増タイプで登場すると噂されています。その前に発売された「CTザクザク七福神」がどうやら発表されたボーナス確率と市場値にかい離があり、ちょっとした問題になりつつあります。がしかし、鉄拳のデキが良ければ全てそれに変わっていくでしょうから、メーカーサイドとしてはここが勝負どころです。

 また、設置台数5000台ではありますが、リゼロ以外にもうひとつ6号機パチスロの明るい兆しと言えるのが「ドンちゃん2」のヒットです。6号機開発において、AT機は今度内規撤廃などがあればゲーム性の幅が広がる可能性も見込めますが、ノーマルタイプは獲得枚数が確実に押さえられてしまうため、ジャグラーを筆頭にこのタイプは難しいと言われていました。ユニバーサルから登場したドンちゃん2はビッグの獲得枚数約222枚、レギュラーで約100枚超で、ビッグ後にほぼ純増なしのRT(22G)が搭載されているスペック。1000円あたりのゲーム数は50Gほどで、良く言えば遊べるノーマルタイプとなり、悪く言えば勝負感がかなり乏しいスペックと言えます。

 実際のところスペック的には数値通りで、2000枚出ればやっとのスランプグラフではありますが、それでもリール制御が秀逸であり遊べるという点が評価されて稼働状況は良好のようです。残念ながらすでに完売しているとのことで、今後中古市場で値段が下がることはなさそう。

 リゼロ、ドンちゃん2といったヒット機種に今回は触れてみましたが、他メーカーからもこれらを追随するようなマシンが出てくればパチスロコーナーは安泰?となるのですが、果たして……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。