2018年11月の業界動向とウワサ


 来年の1月末でパチンコホールはキーポイントを迎えます。現在、自主規制ではあるものの、バジリスク絆やハーデスに代表される高射倖機を全体の30%まで設置可能としています。ホールはこれらを保証書が切れるまで設置可能とせず、段階的に撤去を進めていくことを行政と約束しており、冒頭の期限には15%まで減らさなければなりません。もちろんそれを見越して撤去が進んではいるものの、年末年始に登場する新機種との入れ替えを考えているホールが大半。しかし、その入替対象になる機械が思ったほど出てこないのです。

 10月の段階では6号機の適合が全くと言っていいほど出ずに「HEY!鏡」の増台しか入れ替える機種がないのでは…と言われていました。しかし11月に入り、何とか3機種の販売が1月設置で決定して最低限の体裁は整いました。

 最も注目されているのはサミーの「蒼天の拳」でしょうか。なんと純増枚数は約6枚/G。5号機の現行AT機と比べると倍の早さがあり、それでいてベースが低く抑えられているようで、数値面だけ聞くとズバ抜けて良い印象。しかし波が荒い訳ではなさそうなので、どのようなゲーム性に仕上がっているか要注目です。まあどんなものにせよ、5号機に最も近い打感であることは間違いないので期待して良いでしょう。

 もう1機種が三洋物産の「聖闘士星矢」。5.5号機で最も波の荒い機種として今でも大人気のマシンですが、その後継機種が早くも登場となりました。さすがに波の荒さは5号機には適わないでしょうが、純増は3枚弱にまで上がっているので、爽快感に関しては新しい「星矢」に軍配が上がるのか? 聞くところによるとすでに注文はパンク気味のようで、6号機への期待感からか5号機の中古価格は下降気味です。

 そして3機種目はオリンピアの「島漢(しまむすこ)」。こちらはパトライト搭載の完全告知機で、25パイと30パイが同時販売ということで沖スロ初の6号機となります。こちらも純増は3枚オーバーと出玉感はありそうです。

 このように3機種が出揃ったことで高射倖機の設置比率を15%に落とす入替はできるでしょうが、本当に業界関係者が期待していたのは、すでに一部法人には見せていると言われるユニバの6号機…その名も「ハーデス2」。しかし、かなり攻めたスペックだったのか、現状では試験を通過できなかったようです。そこでメーカーが考えた苦肉の作?が、5.9号機仕様で通過したハーデスを年内中に導入して、6号機が通過したら入替をするという手法。こちら見た目は抜群でゲーム性も魅力的と言われていますが、いかんせん出玉が厳しい……なので後々交換可能と言われてもさすがにいらないというホールも多いようで、設置するホールは少なそうです。

 以上のように6号機戦線は動き始めたわけですが、ホール組合からすると「まだ選べるまでではない」という状況からか、高射幸機の減台期間を延ばそうとする動きもあるとのこと。それは現実的には不可能と思われますが、ホールも売上・客入りに直結する問題なので最後までバタバタすると思われます。

 最後にパチンコは粛々と新台が出ていますが、設定付きパチンコも大ヒットとまではいかず、こちらも試行錯誤が続くはずです。北斗無双2の現状を見てもわかる通り、ヒット機種の後継機が次々と短命で終わっている状況ですが、この先、現行機が撤去されることを考えると……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。