2016年7月の業界動向とウワサ


 ここのところ釘問題に関するネタに触れることが多く、その他新台やら動向を書くことが少なかった。その間に色々なことが起こってはいるのですが、機械を売る人間の立場からして一番びっくりしたのが、パチスロ大手メーカーのユニバーサルとサミーの企業コラボ。現場営業マンにはまだそのような空気はなく、相変わらずガチャガチャしていますが、伝え聞こえる戦略はもう“1つの企業“。それだけ業界縮小という流れの中で手を組むところがないとやっていけない時代なのでしょう。ユニバとサミー。犬猿の仲、水と油……いろんな言葉が当てはまる、絶対に相交わることのない企業がまさかね。本当に業界も変わったと思います。

 関西圏から参戦する人は少ないでしょうが、ユニバ&サミーの代表的な取り組みの1つがファンイベントの共同開催。そこで両社から新機種のお披露目がファン向けに用意されているとのこと。ユニバーサルは初代がロングヒットとなった「パチスロ魔法少女まどかマギカ2」。前作はゲーム数解除をうまく利用したゲーム性がウケたのは間違いないところ。最新作はA+ARTタイプ。その部分を不安視する声はありますが、ユニバーサルとしては満を持しての市場投入。ホールサイドも無視することはできないはずです。

 サミーからは北斗の拳シリーズ最新作が登場。純増枚数は現在の基準になるので1Gあたり2枚程度ですが、ゲーム性は慣れ親しまれたものをうまく入れ込んだデキに仕上がっています。こちらはすでに水面下での営業がスタートしており、反応は上々。ぱちんこ真・北斗無双の好調に続いて、ぱちんこ蒼天の拳のデキもまずまずとなれば、自ずと本命の北斗の拳にも期待がかかります。10万台近い販売を模索していると聞いてますが、果たしてどこまで台数を伸ばすことができるのか。

 ユニバーサルは、まどかマギカ2のお披露目に関してファンイベントが完全一発目とのことで、まだ先見せすらしていない状況ですが、次機種といわれるバジリスク最新作はチラ見せしているとの噂があります。やはりバジリスク絆の中古機高騰問題がありますから、スムーズに次のバジリスクに移行できるようメーカーとして動いているのでしょう。バジリスク絆は今や完全にスロット営業の主役ですからね。

 その他のメーカーも粛々と新台を出してはいるものの、残念ながら大きな話題にはならないといった感じ。スロットメーカーはユニバとサミーの2社に北電子を合わせた3メーカーで7割以上のシェアを占めてます。ユニバとサミーで作った部品会社の高性能ゴト対応セレクターを北電子も採用するという噂も根強いですね。セキュリティー面は部品を共有することによるコスト減にも期待でき、開発力が高く、ヒットタイトルを持っているとなれば、それ以外のメーカーが厳しい勝負を強いられるのは容易に想像できます。一言でこれが時代の流れだと言えばそれまでですが、こういった動きがメーカー統合や倒産離脱に拍車をかけることは間違いないでしょう。

 パチンコメーカー同士でも同じような動きが加速すると言われ始めてますね。元々、封入式パチンコも台枠を共通化して導入コストを抑えようというのが根本的なコンセプトでしたが、残念ながらこの流れは頓挫しています。その前に部品を共通化しようというのはある意味どちらのメーカーにも悪い話ではないはずで、ユニバ&サミーのコラボによって、いよいよ業界サバイバルに待ったなしの状況が動き始めました。こういった流れから新たな歴史が始まっていくのでしょう。期待したいところです。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。