2016年6月の業界動向とウワサ


 良くも悪くも、パチンコ釘問題に決着が付きそうです。正確には、行政の対応待ったナシとなったことで、ホールは従うか、極論廃業に追い込まれるかのどちらかとなります。

 細かい経緯は省略しますが、6月末までには、年内に撤去しなくてはならない機種リストが発表されます。このリストにはいわゆるMAXタイプが全て盛り込まれるようで、リスト化された機械を期日までに撤去しないと、ホールは違法機を設置して営業していることになり摘発される。逆の言い方をすれば、そこまで猶予期間を与えるからきっちり対応するようにと、最後通告された形です。

 本来は釘問題が絡んでいるので、甘デジを含めた全ての機種が撤去対象になるとの噂もあったのですが、現時点の情報ではMAX中心に撤去せよとなるはず。しかし、これでもホールにとって大打撃なのは間違いない。下取りの問題もかなりうやむやになりそうで、この部分でもまだまだ揉め事は起きそうです。

 ホールサイドからすれば、売買契約上も機械代の返却を求めた場合、ある程度認められる可能性はあります。しかし、揉めている間に撤去期間を迎えてしまうだろうから、その前に対応しないとならないのは間違いないところ。そういうわけで体力がないホールは、これを期に廃業するところも出てくるでしょう。とある試算では、2割程度のホールがなくなるかもしれないとのこと。

 ユーザーにとっても、MAXタイプの牙狼が先々打てなくなるのに加えて、年内撤去が決まれば、釘だって渋くなる(撤去する機種を甘くする理由がない)から、つまるところ良いことは全くない状況となります。対応策とすれば、海ジャパンや北斗無双といった、撤去リストには入らないと言われている機種で勝負するしかありません。しかし、それらの機種が甘いかどうかはホール次第であり、そんな先を見た営業ができるホールが果たしてどれだけあるのか。まあ、そもそも釘は甘くしたり辛くしたり調整してはいけないものなのですが(苦笑)。

 現時点では、パチスロに対しては無風といえる状況です。新たに出てくる機械に関しては、どんどんと厳しい決まりもできていますが、すでに設置された機種に関しては何もない。しかし、パチンコが片付けば、間違いなくパチスロも爆裂機を中心に撤去の動きが加速すると思われます。そうなった時、一つの時代が終わり、新たなステージへと移行するのか。それともそこで息絶えるのか。今のうちに好きな機種を打ち倒しておいたほうがいいのは確かですね。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。