2016年2月の業界動向とウワサ


 2月に入り、年末から噂されていたパチンコの撤去リストがいよいよ正式に発表されました。第一弾から第四弾まであるようで、今回は第一弾となります。可及的速やかに撤去せよと言われており、正式な撤去時期は名言されていませんが、概ね3ヶ月程度というのが裏で切られている期限のようです。第一弾で発表された機種はもうすぐ検定の切れる機械が多く、全て合わせても5万台程度。人気どころではルパン三世や牙狼FINALくらい。ただし、メーカー組合でもある日工組とホール組合である全日遊連での話し合いは未だ条件面で折り合いがついておらず、撤去しなければならないという事実を突きつけられてはいますが、これから解決しないとならない問題は多々ある状況です。

 また、次のリストには未だ設置台数の多い沖海3が含まれていると言われており、こうなってくると代替機が間に合うのかという問題もあれば、入れ替える費用がないからベニア、もしくはホールをやめるという話も出てくることでしょう。

 このように問題山積のパチンコ業界ではありますが、現時点で設置され始めた新基軸の機械の調子もイマイチ。パチンコで言えば、甘デジでは未だ絶対王者の海シリーズ最新作「CR海物語3R」の稼働がぱっとしません。同機はあえて古めかしい液晶レベルでモードも選べず、その代わり確変の役割をシンプルにして、魚群の信頼度等をユーザーが任意で設定できるように配慮しました。メーカー側の目論見としては、長く遊べるタイプとして市場に投入したはず。また、いわゆるポケットの払い出しを3個にして、ゲージ的にもバンバン入賞するようなゲージ構成となっており、今度を睨んだベース値になっています。これが人気となればパチンコの未来も明るいのですが……。

 しかし、導入1週間程度経ったホールでの状況は閑散としており、未だ派手で一発がある牙狼魔戒の花を中心としたMAXタイプが好調です。そのような状況を目の当たりにすると、今年いっぱいで400分の1マシンが撤去されてしまうのならば、パチンコ島はお先真っ暗といえますね。

 パチスロもまた然り。現在沖スロ市場で大ヒットしている沖ドキ。沖スロ人気地域はもちろん、その他の地域でもヒット機種として確立され、満を持して後継機種「沖ドキトロピカル」も登場しました。沖ドキトロピカルはAT機で3枚純増とはいえ、その分ベースが甘い。1000円あたり40ゲーム後半回るのですが、逆に沖ドキが激しすぎて打てない層にはウケるのでは?と言われデビューしました。

 そんな沖ドキトロピカルですが、連チャン性能は悪くありません。しかしダラダラした通常時が受け入れられないのか、ユーザーの反応はイマイチ。設置台数が多すぎるという意見もあります。モードが上がり連チャン状態に突入すればビッグが当たるのですが、それまではほぼレギュラーボーナスというところも賛否が別れる原因でしょう。

 しかし同機に関しては、やがて人気が出るという思いから、すでに中古を買い集めている業者があるのも事実。と言うのも、やがて高純増機は撤去されていくはずで、初代沖ドキもあと1年程度でハズさなくてはならない可能性が高い。そうなった時に沖ドキトロピカルに人気が集中すると予想しているからです。確かにその可能性はあり、先行投資する業者の気持ちもわかります。同業者としては判断が難しいところではあるのですが……。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。