2015年12月の業界動向とウワサ


 もう10万台を超えるヒット機種が発売されることはないのか……。今年の年末はヒット機種どころか、釘問題やサブ基板問題が直撃し、機械の数すらあまり出てきていません。特にパチスロは散々で、1月のタイトルを含めてほぼタマがない状態と言えます。実際、新基準機で稼働を保っている機械が少ないこともあり、ホールではノーマルタイプを今以上に大事に扱うことでパチスロ客の流失を防いでいる状況です。

 ジャグラー島はそのままに、今年度のパチスロMVP間違いなしの花火を筆頭とした“アクロス島“を設置して、ノーマルタイプ強化を謳うホールは多いです。花火は12月にブラックバージョンを増台するところも多く、また2月には新たなノーマルタイプが発表されるという噂もあります。多少売り上げが低く、利益が薄くとも、ユーザーが遊んでくれて機械の入れ替えを考えずに済むのは、現状先行きが見えない中ではベストな選択と言えます。

 1月にはガンダムが登場し、2月には沖ドキの新シリーズが出るなんて噂が飛び交っていますが、ガンダムは見た目こそ派手ですが中身は……だし、沖ドキは人気に地域差がある機械なので、ホールによって反応は大きく異なるでしょう。沖ドキですが、一説には島娘や島唄のようにレギュラーでモードを上げていくタイプで、中身はかなりエグいという話。いま噂になっている新台の中では唯一まともであることは間違いないのでしょうけど……。

 続いてパチンコ。こちらも大型新機種は現時点で土俵に上がっていません。先日納品されたスーパー海物語IN JAPANも10万台には届かない設置台数となっており、稼働はまずまずですが、釘問題で俎上に載せることの多いスーパー海物語IN沖縄3の代替機という扱いにはなっていません。

 釘問題に関しては、まずメーカー側がちゃんとした基準において開発製造した機械を速やかに用意し、その後早急にホール・メーカーが協力して入れ替えを行うべきというのが最新の通達です。一説には撤去を即すために撤去すべき機種のリストが用意されるという話もありましたが、現時点では公表されていません。業界的にはさすがにアクションを起こしたいところですが、まだホールサイドとメーカーサイドで話がまとまっておらず、こうしてダラダラしているうちに、また厳しい規制が上から降ってこなければいいのですが。

 パチンコは釘問題とMAX規制、パチスロはサブ基板問題などがあり、総じて大衆娯楽としてのパチンコに戻りなさいという空気が強くなっています。そんな時流に乗ってなのか、手打ち式パチンコが復活し、ホールに設置されています。現時点では当然市民権を得ているとは言い難いですが、選択権が広がるという観点では悪い話ではないですね。

 ギャンブル性の高い機械がなくなってしまうとユーザー数は一瞬減るかもしれない……いや、実際に減るでしょう。しかし稼働率が上がるのは間違いないところだし、波が緩やかなマシンゆえ、ホール側には遊ばせる努力が必要となってきます。こまめな設定調整などでユーザーを引き付ける必要が今以上にカギとなるでしょう。実のところ機械云々というよりも、このホールサイドの運用が2016年はポイントになってくるのではないでしょうか。私もいちユーザーとして、機械に頼る営業ではなく、ホールの運用に一喜一憂できるようなパチンコライフに戻れるならば、今回の規制も悪い話ではないと言えるのですが。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。