2015年9月の業界動向とウワサ


 パチンコ・パチスロのレギュレーション問題がまだ解決していません。解決していないどころか、さらなる厳しい方向へ向かいつつあり、業界全体で出口が見えない極めて大きな問題になりつつあります。パチンコ・パチスロ両方共に抱える論点を説明していきましょう。

 パチンコは釘の問題が依然片付いていない。現在はホールで試験釘の実体に近い営業をしているかどうか、機構側が実地で調査している段階ではありますが、釘調整は以前のまんま。つまり改善されていないということです。ホールサイドからすれば、どこまでポケット(おまけ賞球)を開ければいいのか明確ではないため、ぎりぎりまでは調整を変えたくないのが本音でしょう。

 そういった実地調査での状況もあるのでしょうか、パチンコの確率問題に関してももう一段階メスが入りそうです。現行MAXタイプが10月末の設置で終わりになることはこのコラムでも説明しましたが、確率だけではなく、確変突入&継続率にもかなり厳しい取り決めがなされるはず。メーカー関係者いわく、ノーマルな海物語と同程度の仕様を開発するのがやっとになるようで、仕様面で工夫をすることも難しくなりそうとのこと。仕様的に自由度がどこまで許されるかは別として、いろんな数値面に厳しい取り決めができそうです。

 またMAXタイプの撤去を早々に進めたいというお題目もあります。行政側は釘の問題に絡めて、試験状況と実体がそぐわないMAXタイプを市場からなるべく早く撤去したいとの方向性を示しています。これについてパチンコメーカーの組合である日工組がどのような決断をするかによって大きな方向性が決まるのは間違いなく、10月頭にはその答えが出ると言われています。業界にとって打撃の大きい取り決めになるとそれこそ廃業するホールも多数出てくることでしょう。

 パチスロも抱える問題は似ています。ポイントは2万枚以上の差玉データが確認された機械をMAXタイプ同様、市場からなるべく早く撤去したいとの方針が出ています。しかし具体的な話はまだ出ておらず、こちらは今後のパチスロ開発のレギュレーションに関して概ね決まっているところもあり、撤去問題はパチンコMAXタイプの問題がどうなるかによって追随するような方向性になるのではないかと思われます。これはあくまで私見ではありますが。

 このコラムはファン向けですので、行政やメーカーサイドの動き、またそれによって振り回されるホールの運営は関係ないと言えば関係ありません。しかし今年年末までの動きとしてはあまり業界全体が良い状況ではないことを理解しておきましょう。釘調整問題によってポケットが開き、ホールによっては勝ちやすい状況になる可能性はあります。しかし機械の撤去問題が実施されると、確実に機械代の圧迫=経費問題が降りかかってくるので、その分出玉率は低くなると予想できます。こういった時には1000円あたりの回転数を数えるといった基本的なことをしっかり行い、どうしようもないお店には近づかないこと。常識では考えられないような調整をしてくるところも商売的に仕方なく出てくる可能性はありますので。

 パチンコは最後のMAX機としてガロが10万台以上、京楽産業.からも値段は高めですが自信作と言われる仮面ライダーシリーズが滑り込んでくると噂されています。繰り返しますが、状況が状況だけにホール選びだけはいつも以上に注意を払いつつ勝負しましょう。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。