2015年8月の業界動向とウワサ


 お盆前のメインどころが設置され、ある程度の先行きが見えてきたパチンコ業界。この時期、最後のMAXタイプという触れ込みで多くの機種が市場投入されていますが、10月末の新台設置が許される期限まで、それは続くと言われています。

 お盆前にホール導入された大型版権マシンは2機種。1機種はルパン三世の最新作。もう1機種はサンセイR&Dから、市場最高額で落札されたと言われるキャプテン翼です。すでに多くのホールに導入されているので、打たれた方も多いでしょう。

 まずはキャプテン翼から。同社の牙狼とほぼ同じスペックで登場しましたが、評判はイマイチ芳しくありません。これは好き嫌いの問題になるのですが、当たるかハズれるかのバランスがはっきりしすぎているとの声が多い。ある意味で原作に忠実に作られていますので、原作ファンならずとも、このキャラクターでは当たるわけがない……と期待できないリーチが多いのです。お盆明けに発表される「最後の牙狼」欲しさに付き合いで導入したというのもあるのでしょうが、これは短命に終わりそうですね。

 続いてルパン三世。業界的にはこちらがこけてしまうとなかなか厳しい。大量に100台近く導入されたホールも多く、最後のMAXタイプとして検定ギリギリまで使いたいという気持ちの現われでもあります。現時点では稼働状況は予想の範疇内。決して悪い稼働ではないと言えます。前作がルパンシリーズの中でも圧倒的人気を誇ったので、前作と比べたら……という声もありますが、時代も違えば状況も違うわけで、ユーザーにも一定数受け入れられていると評価していいでしょう。

 また、ユーザーの皆さんには朗報。波が荒い機種なので安定はしませんが、この機種の設計自体は非常に甘い。つまりホールからすれば回せない機械なのです。ただし、これから長く使うことを考えて、それでも釘を多少甘くしているホールも散見されますし、また釘調整問題でベースを開けてくるホールもこれから増えるはず。そうなるとルパンあたりはなかなか利益が取りづらくなるのではないかと思われます。新装開店やリニューアルオープン、あと業界的にはNGではありますがイベント的な煽りがあった場合、ルパンは積極的に狙っていける機種と言えるでしょう。

 これから10月までにはエヴァ、牙狼あたりが10万台の大台を狙ってきそうです。その他にも多数のメーカーから最後のMAXタイプが登場するでしょうが、勝ちに行くならば1年後もホールが使いたいと思うような大型版権+完成度の高い機種を打ったほうが、甘く使われている可能性は高いと思われます。もう入れ替えができないのだから、今までよりは「残す機械」を大事に使ってくれる可能性はあるはずです。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。