2014年8月の業界動向とウワサ


 ここのところ話題になるパチンコ台は皆無に近く、ホールサイドも新台に全く期待を持つことはありませんでした。今年前半の稼働を引っ張った「CRルパン三世~消されたルパン~」でさえ、導入当初の争奪戦はそれほどでもなかったと記憶しています。

 しかし、そのような状況にありながら、販売が決まってからホールサイドの取り合い合戦が続き多くのホールがメーカーや販社との間に遺恨を残すこととなった機種があります。それがサンセイR&Dの「CR牙狼金色になれ」です。販売台数は11万台を超えたと聞きますが、それでも供給が間に合わず欲しくても手に入らないホールが多数あったようです。

 牙狼金色の導入初日。すでにこのコラムを読まれている方はホールでその光景を見られたと思いますが、筐体上部から役物が出てきて遊技者を煽るという今までにないインパクトが立ち見客を圧倒させ、打っているものを興奮させました。その話題性に応えるように、またパチンコファンを牽引するかの如く、現在全国のホールで人気を博している牙狼。8月後半には「ぱちんこAKB48」の後継機も登場し、暫くはパチンココーナーも安定しそうなのでホール関係者も一安心。

 しかしその反面、お盆前に導入されたパチスロがいまいちぱっとしません。6月に登場した「パチスロ蒼天の拳2」はやはり夏まで稼働が持たず、しかもバグ問題で基盤変更をするみたい。営業を止める必要はないとのことなので一安心してますが、それにしてもちょっとお粗末。山佐の「パチスロ鉄拳3rd」も爆発的にヒットすることはなく、ユニバ系メーシーの「やじきた道中記乙」もハーデス級の出玉の波を搭載したことがウリでしたが、ハーデスのように盛り上がることはなさそうです。

 また、ぱちんこAKB48第2弾を導入するために多くのホールが購入した「ぱちスロ必殺仕事人」に関しては、すでに閑古鳥が鳴き始め……悲しいかな予想通り。これから全国のファンを巻き込んだイベントを開催するとのことですが、果たして盛り上がるのでしょうか……。

 そんなパチスロ不振を巻き返す最終兵器が大都技研から満を持して発表された「押忍!サラリーマン番長」です。どうしてサラリーマンなのか?と当コラムでもそのコンセプトに突っ込んだりしてましたが、やはりさすがは番長の後継機種。学生だろうがサラリーマンだろうが関係なくすでに10万台を超える販売が決定しているようです。9月初旬は番長一色になりそうな予感がします。

 その他の新台では、ユニバ系エレコから「スロット バットマン」が登場。洋モノ版権は正直厳しいと思いますが、それでもデキはぼちぼち。また、ロデオから販売が予定されていた「サラリーマン金太郎」は10月に延期されたようです。さらに、少し先の話ですが年末にはゴッドシリーズ最新作が登場予定だとか。ポセイドンという説もある?

 パチンコは年末まで注目タイトルが目白押しで、まずは少々乱発気味でもある海シリーズ最新作が登場するとの噂。また8月7日に「花慶の日」というファンイベントを行ったニューギンからも、慶次シリーズ最新作がそろそろ登場するかも?

 京楽産業は仮面ライダーのV確変タイプが次機種に控えているとか。ここのところ販売実績は十分ではあるが稼働状況では惨敗中の京楽マシン。ぱちんこAKB48も含めてそろそろ稼働経験した機械が出てくれないと、ホールさんの購買意欲が下がりトップメーカー京楽という図式が崩れてしまう危険性が……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。