2014年6月の業界動向とウワサ


 ここ数年の流れではありますが、パチスロにはそれなりのヒット機種が生まれてはいるものの、パチンコは壊滅状態が続いています。直近ではルパン三世がヒットしましたが、それ以外にめぼしい機種はなく、実際にパチンコ台は売れていません。今年、このままいくとパチスロの販売台数は前年と同じかちょっと少なくなるくらいで着地するでしょうが、パチンコは200万台を下回り、180万台前後で終わってしまうと算出されています。

 そんなパチンコ下落状況を打破すべく、この夏ついにメガコンテンツが3機種デビュー! まずは6月18日に横浜アリーナを借り切って大々的にデビューする「ぱちんこAKB48 バラの儀式」。全国に20万台以上が設置され、さらに稼働面でも圧倒的人気を得たぱちんこAKB48第二弾がついにデビューです。前作の登場時に比べてAKB48自体の人気も下がり、さらに事件が起きたり裁判沙汰になったりと、取り巻く環境は楽ではありませんが、やはり業界人としては大注目の1機種。スペックは前作同様と噂されていますが果たしてその出来映えはどうなのか今から楽しみです。ただ、同時に販売条件も恐ろしそうではありますが……。すでに「パチスロ必殺仕事人」との同時販売が噂されていますね。

 続いてMAXタイプの代表作「CR牙狼〜金色になれ〜」もデビュー確定! 前作の牙狼がファイナルなのでは……と思ったファンも多いでしょうが、牙狼が打ち止めになるはずもなく、今回も度胆を抜く筐体枠デザインで登場します。専用筐体はハンドルを持つ右側の枠から剣が飛び出す斬新な役モノを搭載しており完成度は高いと思います。しかし同時に原価も高そうで、一説ではついに1台50万円(現状では高くても40万円)になるのかと噂になっているところ。ホールサイドからすれば高くても稼働が長持ちすれば元は取れるのですが、ただ派手なだけではファンにすぐそっぽを向かれてしまう時代。その完成度がどこまでのものなのか期待したいところですね。

 そしてもう1機種、藤商事のメガコンテンツ「CRリング」シリーズ最新作もこの夏に登場します。前作は発売当初それなりの台数しか導入されていませんでしたが、完成度の高さから増台が相次いだのに加えて、稼働状況も現在のルパン並に長期稼働を記録した機種です。これまた期待しないわけにはいきません! 藤商事は現在の新枠になってからヒット機種に恵まれていないので、ここらで一発逆転といきたいところでしょう。同時販売が噂されていた「パチスロリング」についてもどうやらリリースが本決まりのようです。

 さてパチスロの夏商戦ですが、7月末に京楽から出る「パチスロ必殺仕事人」以外では、ユニバ系の「やじきた珍道中」とオリンピアの「マキバオー」くらいのもの。というのは、この夏最大の目玉機種と噂されていた押忍!番長2の後継機「サラリーマン番長」の発売がどうやら8月以降に延びたらしいのです。これにより各社ともパチスロの販売計画が大きく狂ってきています。「サラリーマン金太郎」なども本来この時期あたりに出したいと聞いていたのですがね。

 この夏はどうやらパチンココーナーが盛り上がるのは間違いないところ。少しでも稼動が長持ちするように、少しぐらいは甘釘に期待して新装開店を待ちましょう!

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。