2013年8月の業界動向とウワサ


 多分ダメだと思うけれどパチンコの大ヒットがあるから無視はできない……。多くのホール関係者がパチスロAKB48を見た時の感想ではないでしょうか。版権は超A級、派手さも超A級。しかし今やパチンコメーカーナンバー1の京楽産業といえどもパチスロは初開発。パチスロ機としては突っ込みどころが多数あり、古株の機械選定者ほどこの機種の評価は低かったはずです。

 しかし、実際にホール導入がスタートすると稼動から2週間の成績は抜群でした。結果としてホールに利益をもたらし、稼動が垂れることなくパチスロコーナーを牽引したのです。1号機の時代からこの業界に従事し、そしてパチスロ自体を好んで遊技する自分からすれば、AKBにパチスロとしての魅力は正直感じません。だから個人的にはもう遊技することはないと思います。しかし実際に(3週目に入り稼動が落ち目にはなっているが)このゲーム性を好む層がいたわけで、遊技客の変動をもたらしたのは間違いないでしょう。そりゃ50歳に手が届きそうな自分と、スマホを完璧に使いこなす20代とでは好みの機種やゲーム性も違ってくるのは当たり前ですけど。とにかく、AKBはスロット業界の未来を垣間見せる機械だなと感じたのでした。

 さて、新機種戦線はすでに年末に出る機種の話題で持ちきり。今や年末に出る機種を匂わせて目の前の機械を売るのがメーカーの常套手段です。今年の年末商戦には魅力ある機種が多く、ホールサイドが無視できないタイトルのオンパレードとなっています。

 とりあえず、ほぼ販売が確定しているタイトルは、サミーから「化物語」と「エウレカセブン2」。化物語はその筋には超人気のアニメらしく、上手くいけばエヴァのようにヒットする可能性あり。現在ノリに乗っているサミーだけにその可能性は十分にあるでしょう。エウレカセブンに関してはもはや説明不要。昨今のART機の主流を作ったマシンでもあり、ファンならば誰もが楽しみにしている1台でしょう。

 そしてニューギンからは花の慶次も登場間近だとか。後継機はかなり荒いスペックで登場するとかしないとかで、さらにパチンコとの同時発表もあり得るかも知れないとのこと。

 ここからは噂レベルの話。大都技研は吉宗が控えているとのことで、タイトルからすればやはりかなり荒い仕様で登場するのは間違いないと思います。山佐はモンキーターン2でこちらもヒット機種の後継機。ユニバーサルはバジリスク3、そしてアニメ版権モノを満を持して発表するとか。さらにミリオンゴッドの後継機「ハーデス」なる機種がスタンバイしているらしいです。最後に平和オリンピアですが、こちらはルパンシリーズを投入してくる模様。タイトルだけ見るとどれもホール経営には必要なマシンと言えます。まさにパチスロはヒット機種花盛りですね。

 その反面、パチンコがちょっと寂しい。年末年始までに出るだろうといわれる大物は、ニューギンの花の慶次、平和オリンピアのルパンシリーズ。どちらもパチスロと同時期に出すのではないかという2機種に加えて、京楽産業の仮面ライダーV3。恐らくパチンコはこのあたりが主力になってくるはずです。しかし、それ以外が噂にならないのも寂しいものですね……。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。