2020年1月の業界動向とウワサ


 今年6号機の大本命がついに姿を表します。パチスロ新時代へ向けて、5号機よりも唯一優位点のある純増約5枚/Gを搭載したAT機「HEY!鏡」が登場してから早1年と数ヶ月。これまで幾多の機種が話題になったものの、やはり現役の5号機には敵わず全て短命で終わってしまっている現状がありました。元々AT機に関しては、純増以外の部分は試験方法も変わり、また2400枚のリミッターもあるためスペック的には劣化することが予測できていました。しかし、これほどまでに厳しい現実を叩きつけられるとはホール関係者も予想できなかったのは事実。売上粗利は仕方ないにしても、遊べるようになった分、もう少し稼働すると思ったのですが……。

 また、6号機のもう一つの問題点として頭が痛いのはノーマルタイプのスペックにも言及されていることです。新規則ではビッグボーナスの獲得枚数が300枚を大きく下回るのは確実で、さらにベースも高い。これではゲーム性が成り立たないのではないかとシミュレーションの段階では言われていました。実際、アクロスブランドから発表された「ドンちゃん2」は、作り込みという点では6号機でも大丈夫となりましたが、出玉の波の部分では穏やかどころかさざ波レベル。設定に素直すぎて、こんな機種ばかりになったら営業が成り立たないと肌で感じた事例でした。

 この数年間、絆やハーデス、ゴッドといった人気機種がメインコースで活躍しましたが、そういった機種以上に重要なコンテンツ……そう、ジャグラーシリーズです。そのジャグラーシリーズも今年5月を境に認定が切れたものから半年間かけて次々と撤去されていきます。果たしてその代替機はどうなるのか? 数多の業界関係者が気にしていた問題ですが、年が明けた2020年1月、ついに6号機初のジャグラーがお披露目されました。

 昨年末、6号機ジャグラーついに発売決定!という情報が流れても、スペック面が正式に伝えられることはありませんでした。そこで良し悪しを含めて様々な噂が飛び交いました。目押し不要の沖ドキのようなAT機ではないか? いや、ノーマルタイプではあるものの設定は2段階らしい……など。いろいろと憶測が流れていた中で発表された「アイムジャグラーEX」ですが、これぞジャグラーという超正統派ノーマルタイプでの登場となりました。

 まずはゲーム性ですが、リール配列はほんの少し変わったものの、5号機と比べて何ら違和感なし。7とBARの一直線でリーチ目というのも同じです。さらにお馴染みの告知ランプも搭載されており、GOGO!ランプがペカっと光ればボーナス確定となるなど全く同じゲーム性です。まあ、ジャグラーシリーズでこの法則を壊してしまったら違う機種になってしまいますが……。

 気になるスペック面ですが、まず設定は6段階で、ボーナス合成確率も5号機とほぼ大差ないのでここもそれほど違和感がないかも。ボーナスの獲得枚数は残念ながら減少しており、ビッグボーナスで252枚、レギュラーボーナスで96枚となっています。コイン50枚あたりの回転数は約40Gとなり、ベースは若干上がっていますがそこまでちんたらしないと思える数値に収まっています。

 現状ではホール関係者の評価はまちまちですが、ひとまず思った以上の安心スペックだったことに安堵しています。5号機があるうちはいろいろと言われるでしょうが、今から1年後を想像した時に、ジャグラーファンが何とか耐えうるゲーム性・射幸性ではないかと判断できます。つまり、パチスロコーナーのベース部分は計算できると胸を撫で下ろした関係者は多いと思います。

 さて、昨年末に登場したサミーの「パチスロ交響詩篇エウレカセブン3 HI-EVOLUTION ZERO」が設置台数は少ないとはいえ好調のようです。2月には「SLOTバジリスク〜甲賀忍法帖〜絆2」がホール設置開始。5月にはいよいよジャグラーがお目見えします。我々業界人もここから本当に過去を忘れて新たなスペックを受け入れて行かねばなりません。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。